展覧会構成

第1章 抽象絵画

石橋財団は、20世紀以降の抽象絵画収集に力を入れています。特にアーティゾン美術館の開館を機に、カンディンスキー《自らが輝く》やザオ・ウーキー《水に沈んだ都市》、さらにはアメリカ前衛絵画の先駆けとなった女性作家、ジョージア・オキーフ《オータムリーフⅡ》など、それまでの財団コレクションのイメージを刷新する、国内外の重要作品が新たに加わりました。
この章では、20世紀に世界各国で展開された抽象絵画から、その源泉であるセザンヌまで遡ります。

ヴァシリー・カンディンスキー《自らが輝く》1924年
ヴァシリー・カンディンスキー《自らが輝く》1924年

第2章 印象派プラス

マネやルノワールなど、印象派の画家たちの作品は、ブリヂストン美術館の時代から石橋財団コレクションの中核でした。アーティゾン美術館となった現在も、これまでに築いてきた作品群を軸に、新たな作家・作品の収集がなされています。特に近年は、印象派の女性作家に注目しており、メアリー・カサットやマリー・ブラックモン、エヴァ・ゴンザレスらの重要作品がコレクションの仲間入りをしました。

ベルト・モリゾ《バルコニーの女と子ども》1872年
ベルト・モリゾ《バルコニーの女と子ども》1872年

第3章 日本近世絵画プラス

琳派の作品は、かつて石橋美術館別館(現・石橋正二郎記念館)で展示公開されていたころから石橋財団コレクションの日本美術部門の大きな柱でした。日本近世美術の収集は現在も継続されており、アーティゾン美術館では、伊年印や伝俵屋宗達の逸品が、新たなコレクションとして加わりました。そして、この展覧会では、琳派を語る上で欠かすことのできない、尾形光琳《孔雀立葵図屏風》(重要文化財)が久留米で初めて公開されます。

伝 俵屋宗達《伊勢物語図色紙 彦星》江戸時代 17世紀
伝 俵屋宗達《伊勢物語図色紙 彦星》江戸時代 17世紀

第4章 パウル・クレー・コレクション

アーティゾン美術館は、開館の前年に20世紀を代表する画家のひとり、パウル・クレーの作品をまとめて収集しました。このクレー・コレクションは、初期から晩年までの画業の主要な時期を網羅するもので、質・量ともに国際的にも有数といえます。今回は、新たに収集された作品を中心に、《小さな抽象的ー建築的油彩(黄色と青色の球形のある)》や《ストロベリーハウスの建築工事》など、クレーの創作の変遷をたどる12点を紹介します。

パウル・クレー《ストロベリーハウスの建築工事》1921年
パウル・クレー《ストロベリーハウスの建築工事》1921年

第5章 日本近現代プラス

幅広い時代と分野にまたがる石橋財団コレクションの出発点となったのは、青木繁や坂本繁二郎、藤島武二をはじめとする、日本近代の洋画家たちの作品でした。アーティゾン美術館でも、藤島の《東洋振り》など近代洋画作品のさらなる充実とともに、その後に続く戦後美術、たとえば具体美術協会の白髪一雄や田中敦子、海外の美術動向に身を投じた草間彌生といった多岐にわたる日本人画家たちにまでコレクションの幅を広げ続けています。

坂本繁二郎《幽光》1969年
坂本繁二郎《幽光》1969年

第6章 同時代の美術家たちと

アーティゾン美術館では、石橋財団コレクションと現代美術家の共演による展覧会「ジャム・セッション」を、開館以来毎年開催しています。同時代を生きる美術家たちとの出会いによってコレクションに新たな光をあてる試みです。
現在まで6回開催された「ジャム・セッション」の中から、今回はシリーズ第1回に迎えた鴻池朋子の《襖絵(地球断面図、流れ、竜巻、石)》と、第2回で森村泰昌が青木繁《海の幸》に着想を得て制作した連作《M式「海の幸」》の「第3番:パノラマ島綺譚」を展示します。

森村泰昌《M式「海の幸」第3番:パノラマ島綺譚》2021年
森村泰昌《M式「海の幸」第3番:パノラマ島綺譚》2021年
©Morimura Yasumasa

※すべて石橋財団アーティゾン美術館蔵

アーティゾン美術館について

ブリヂストン美術館の伝統を引き継ぎながら、2020年1月に東京・京橋に開館。新たな館名の「ARTIZON」には、「ART」と「HORIZON(地平)」を組み合わせた造語で、時代を切り拓くアートの地平を多くの方に感じ取っていただきたい、という意志が込められています。